うつ病は「ココロの風邪」

〜いつ、誰が罹ってもおかしくない!〜

第1章 「うつ病は心の風邪」〜いつ、誰が罹ってもおかしくない!〜 | 第2章 もう仕事に行けない…!「うつ病復帰」から地獄の闘いへ | 第3章 うつ復帰からの地獄の闘い 〜その後の話〜 | 第4章 うつ復帰からの地獄の闘い〜とりあえずの完結編〜 | 第5章 うつ病からの生還 〜その後の話〜

「うつ病」とはどんな病気なのか

 最近、うつ病に悩む人が増えています。というより、うつ病に対する理解が以前に比べて進んだことで、カミングアウト(公表)する人や精神科を訪れる人が増えたために、そのように感じるのかもしれません。とはいえ、不景気で閉塞感を感じる世の中です。いつ、誰が罹るか分かりません(真面目で几帳面、責任感が強い人が罹りやすいという傾向はありますが)。誰でも罹る可能性のある病気・・・風邪みたいに早めに対処すれば大したことなく済むけれど、こじらせるとやっかい・・・うつ病は「ココロの風邪」と言えるでしょう(いや、ホントは風邪なんかと比べ物にならないほど辛いんですが)。他人事じゃないんですよ!

 健康な人でも、いつでも元気! というわけではありませんよね。人間関係で疲れたり、仕事で失敗して落ち込んだり・・・ということは誰にでもあります。しかし一時的に落ち込んでも、やがて元気を回復して立ち直っていきます。

 ところが、落ち込んだ状態が長く続く、いつまでたっても憂鬱な気分から抜け出せない・・・そんな時は要注意です。うつ病は何らかの原因(強いストレスなど)が元で脳内の神経伝達物質のバランスが乱れて起こると考えられていて、それは日常生活で普通に感じる「イヤだな〜」という感覚ではなく、立派な病気なのです。

 うつ病に罹ると、まず、何もする気がしなくなります。特に、朝(午前中)にその症状が顕著なようです。毎朝、出勤前に必ず新聞に目を通していた人が、ある時から新聞を読まなくなったと思っていたら、実はうつ病に罹っていた・・・という話は、うつ病の症例としてよく挙げられます。

 次に、仕事の能率が上がらなくなる。今まで難なくこなしていた仕事がうまくできない、あるいはやたら時間がかかる、ミスが多くなる・・・すると「自分はなんて役立たずなんだろう」と自己嫌悪に陥り、ますますドツボにハマってしまうのです。

 そして、食欲がなくなります。というより「食べる」ということに関心がなくなってしまうのです(これは、私の経験から・・・)。無理に食べても味がしないのです。何とか食べ物を口に運んでも、飲み込めない・・・(これも私の経験)、それが長く続くと当然衰弱してしまいます。衰弱の原因として「眠れない」ということも挙げられます。

 生命を維持するのに必要な「食べる」「眠る」ができなくなったら・・・どうなるでしょう?

 また、特徴的なのが「自殺企図」があることでしょう。頑張っても頑張っても結果が芳しくない。こんな自分は生きる価値がないのではないか、自分は役立たずでつまらない人間だから生きていてもしょうがない、と思いつめて自殺してしまうのです。もっとも、症状のひどいときは自殺する気力すらなくしてしまうので、行動を起こせるまでに回復した「治りかけ」の時期が危ない、と言われています。

 それほどまでに悲観的・絶望的になってしまう病気ではありますが、どんな病気にも言えることですが「早期発見・早期治療」が大切です。気づくのが早くてすぐに治療に取り掛かった人ほど早く治ると言えるでしょう。精神科に行くのを「恥ずかしい」と思い放っておくと、それこそ命取りになりかねません。

うつ病患者にしてはいけないこと・言ってはいけない言葉

 最近はうつ病に関する知識も広まってきました。よく言われるのが「うつ病の人を励ましてはいけない」と言うことでしょう。落ち込んでいる人を見ると、私たちはどうしても励ましたくなります。「頑張れ」と言いたくなります。しかし、「頑張れ」という言葉はうつ病の人にとっては非常に酷です。「今までこんなに頑張ってきたのに、これ以上頑張っても思うように効果が上がらないのに、どうしろというんだ」と、孤独感を強めてしまいます。そして「どんなに頑張ってもダメ」な自分を不甲斐なく思い、自殺してしまう・・・などという悲劇をもたらすことにもなりかねません。

 うつ病の患者さんにはとにかく休養が必要です。たとえ薬を使っても休養が必要です(と、私は言われました)。睡眠薬や精神安定剤を飲み続ける(飲み続けさせる)ことへの不安も大きいと聞きますが、薬のせいでボケたり頭がおかしくなったりすることはありません(現に私はガンガン飲んでるぞ〜  Oo。≪ ̄∇ ̄≫ にぱっ  説得力なし?)。

 それから、「気の持ちようだよ」これもかなり酷な言葉です。「気の持ちよう」で治るなら、誰もうつ病になったりしません! 私もこのひと言にひどく傷つきました。

うつ病・・・私の場合

 うつ病とパニック障害は密接な関係があると言われています。私もパニック障害に罹ってからというもの、数ヶ月おきにうつの波が襲ってきます。ちょうどそんな時期と仕事や家庭のゴタゴタが重なったりしたらたまったものではありません。平気なフリをして仕事には行っていたもののわずか1ヶ月ほどで体重が7キロも減ってしまった・・・という経験もあります。

 今までで一番うつ状態がひどく、入院するまでになってしまった時は、無能な上司の仕事を肩代わりしたことによる激務が引き金になったように思われます。しかし本当のところ、直接的な原因は不明です(因果関係が証明されれば労災になったかも・・・)。仕事の上で「認められたい」「自分が必要とされている事を実感したい」という思いから無理を重ねて疲れ果ててしまった、というのが本当のところかも知れません。

 朝、体が重くて布団から起き上がることができない。食欲がまったく湧かない。何でも悪いほうへ悪いほうへと考えてしまう。自分が正当に評価されていないように思え、必要とされていないような気がする・・・そう感じた日から、私は仕事に行けなくなってしまいました。音・光・におい・・・あらゆる刺激が頭に突き刺さる(痛い)ような感じがして、そんな刺激をとにかくシャットアウトしたいと思い、引きこもりました。

 私はパニック障害の治療のため、普段から抗うつ剤と抗不安剤を飲み続けていました。なので、比較的軽く済んだのかも知れませんが、それでも食事が喉を通らなくなり、大量服薬やリストカット(手首を切る行為)を繰り返しました。いまだに悔やまれるのは、風呂場で手首を切る瞬間を娘に見られてしまったことです。母親が自分で自分の体を傷つけて血を流している・・・そんな姿を見たら誰だってショックを受けます。ましてや、当時まだ小学校にも上がっていない幼い子供でした。娘は泣きながら「ママ、やめて! わたし、ママがいなくてもがまんするから、びょういんにいってびょうきなおして!」と叫びました。

 ごめんね・・・私って、なんてひどい母親だろう! 娘たちのために、今、死ぬわけにはいかない! そう思い、私は、精神科に入院する決心をしました。結果、約4週間の入院で落ち着き、自宅でのリハビリも含め42日間の病気休暇の後、職場復帰を果たしたのでした。

 しかしその後、地獄の闘いが待っていようとは…    まだ続く…>>

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